10年後も安心できるデジタル遺産の残し方~すぐできること 2019

第三回 デジタル遺品を考えるシンポジウムに参加してきました。

今回は、「10年後も安心できるデジタル遺産の残し方 」というテーマでした。

進歩の目覚ましい分野、そして、奥深いテーマでしたが、シンプルですぐできることがわかりましたからお知らせしたいと思います。

 

今回登壇されたのは、こちらの方々です(敬称略)

デジタル遺品研究会ルクシー/フリーライター 古田雄介
日本デジタル終活協会/弁護士・公認会計士 伊勢田篤史
デジタルデータソリューション(DDS)株式会社 上谷宗久
(特別登壇)東京大学 先端科学技術研究センター 助教 瓜生大輔
株式会社Digtus

 

デジタル遺品とは?

故人のパソコン、スマホに含まれている情報とインターネット上の情報です。

IDやパスワードで保護されていて、中身が見えにくいですが、最近は、金融情報や価値のある情報が入っていますし、キャッシュレス決済という形でお金の支払いもできますから、スマホはお財布代わりになることもあります。

 

大切な情報。私の場合。

私にとっては、デジタル情報の中で大切なのは4つです。

 

  1. 金融に関するものなどのオンラインデータ
  2. 今とこれから使うオフラインのデータ
  3. 私が生きている間残したい「思い出」や「記録」
  4. そして、身近な人に伝えたいことや思い出画像

 

遺品となるとこの中では1.の金融関係と4.の伝えたい情報が大いに気になるところです。

 

知らないでパソコンを廃棄されてしまったら、困ったことになります。

適切に対処してもらうにはどうしたらよいでしょう?

 

見られると恥ずかしい情報

そして、シンポジウムでちょいちょい出てきたワードは、「人に見られると恥ずかしい」情報

私は遺品整理を何度もしていて、たとえレンタルスペースに隠しているモノだって、結局プライベートなことも知られてしまうと感じています。

 

この「恥ずかしい」感覚は、男性と若い女性に多いらしく、私は、パソコンやスマホの中に恥ずかしさを感じないのです。(書き損じの書類をいっぱい作って遺しているのは恥ずかしいこと?)

もしかしたら隠したい趣味やスキャンダル系や色っぽい情報のことかもしれません。

 

すごく身近で便利だけれど、万が一の時はどうなるの?

遺品整理の現場では、多くの場合、遺族は、「データが見られないように処理して、全部捨てる」と、悩みつつも判断されることが多いようです。

でも、ひそかにネット銀行とかの金融資産を持っていたとしたら、もう誰にも分らなくなってしまいますね。

 

 

遺品情報のプライバシー

デジタル遺産に関して、現状は法律がなく、官公庁で話し合われている様子もないそう。

 

公での扱いは、目に見えるモノとしての電子機器が相続されるということで、その中身に対しては社会的にも模索中といえます。

例えば、インターネット上に残る情報は誰がどのように管理するかなど、これからの課題です。

 

 

身近な人の情報を見たい?見たくない?

若い方(対象者の詳細を失念しました)へのアンケートで、親の残したデータを見たい、というのに円グラフで4分の3ほどがYES!

そして、自分の情報は見られたくない、が多数でした。

 

親や身近な人の残したデータは見たいのですね。

 

 

故人のパソコンの情報は見ることができる?

たとえIDやパスワードがなくても、専門の業者が対応することができます。今は、平均23万円かかりますので、中身の価値と比べることになりそうです。

機械のトラブルもありますから、この復旧サービスの業界は大きく伸びているとのことでした。

遺品としてのデータ復旧は、いじめや会社のトラブルの真相を知りたいという需要は以前からあったそうですが、今後、一般的な遺品、相続という案件が増えるでしょう。

 

大切なデータを残したい、引き継ぎたい

では、私たち、プライバシーを保護しつつ、身近な人に残せる情報をどう伝えたらよいでしょうか?

10年後の話と仮定します。

 

10年後のセキュリティ、保護、保存はめんどくさい?

現在、セキュリティー設定が日々進化しています。

 

実際、多額の仮想通貨を相続したのにパスワードがわからずお金を受け取れない、だけれど相続税だけ請求される事態があるそうです。

パスワードなくてもパソコンが開ける「指紋認証」「顔認証」が出てきましたが、例えば銀行のキャッシュディスペンサーで、

 

「指紋認証」では、歩けない親の代わりに銀行カードを持って銀行のキャッシュコーナーに行っても、お金を引き出すことはできません。

 

10年後はさらに進化してしまうはずで、IDとパスワードを超える強固なセキュリティシステムが広がるかもしれませんが、業界の方でも予測が難しいのです。

 

私は、顔認証のパソコンを手に入れようかと検討していますが、何かあったときに、顔認証で家族もパソコンを開けないのには不安を感じます。

 

でも、どうしてもの場合、パソコンを開くだけならお金をかければ業者が解決してくれます。(ちなみにパソコンよりスマホのセキュリティがきつく、業者泣かせだそうで、保存はパソコンがいいそうです。)

 

機器が進化し、セキュリティー設定が変わり、クラウド保管の在り方も変わってくるでしょう。

 

2019年今できるデジタル情報の伝え方

さて、私は、未来の技術の進化については疎いです。

そんな、普通の人が安心して暮らすために、見えないモノの管理をどうしたらよいでしょうか?

 

キーワードは、

  1. 大事な情報をわかる、分けておく
  2. 紙に書く
  3. 身近な人に知らせておく

 

 

これだけはわかっていたい3つの大事な情報

  • 金融情報
  • 有料サービス
  • 遺影

 

相続に大切なお金の情報は、詳細はともかく「あるかないか」は知らせておきたいですね。

ネットの有料サービスでネットの銀行から引き落としされていて、何年も払い続けていた例があるそうですよ。

 

私も、アマゾンの定期便、マイル会員の会費、ヤフープレミアム、それに他にもと、結構ありますね。休止の手続きをしないと、銀行口座がストップするまで引き落としが続いてしまいます。(最近は自然に口座が凍結しないことが増えました。)

 

分けたい情報

「何が大事?」「何を残したい?」

暮らしの片づけと全く同じです。

 

決めておかなければ、前掲のように、親の情報は遺してほしいし見たいのですから、子供や周りの人が見たければ見てしまうだけです。

 

逆に「見ないで捨ててほしい」も分けておくか、そういったサービスをする会社が増えましたから検討してもよいかもしれませんね。

 

遺影、写真画像

今回のシンポジウムでもデジタル画像紙焼き写真について意見が出ましたが、デジタル機器は5年くらいで壊れることが多いそうです。

そう考えると、データの取り扱いやすさは手放せないけれど、大事な写真はいくらか紙焼きにしたほうがよさそうです。デジタルとアナログを併用するということです。

 

また、いざというとき慌てるのが遺影写真

デジタル機器から画像を取り出せず、結局どうでもいい集合写真から拡大することになるのが、最近また増えてきたそうで、こちらも後悔しないために紙焼きを作ったり複数管理したほうがいいと思います。

 

そして、最近供養の現場で、データ画像が効果的に使われてきました(納骨堂で遺影が空間に映し出されるとか)。

元気な時に写りの良いのを用意して、年々更新して、それ自体が家族や身近な人との話題が広がり話のきっかけにもなるのでは?

 

シンプルなデジタル情報の伝え方

実際のところ、デジタル分野の進化は大きく、予測がつきにくいのです。

でも、どんなセキュリティより大切なのは、大事なものがデジタル機器に入っているのか、いないのか、身近な人に伝えておくこと。

 

大切な人とアナログなつながり

シンポジウムでは、デジタルの先端的な話がほとんどでしたが、人が「伝えたいもの」「残すべきもの」を相手がわかるように伝える方法はシンプルです。

 

紙一枚の「デジタル資産メモ」をいただきました。

大事なことはここに書けることくらいです。(すべてを書けないなら、2枚に分けてそれぞれに別の項目を書いたり、暗号やヒントでもよいのです。)

これを見せて、身近な人に、何かの時にはこうしてほしいと伝える。

 

本当に大事なのは、残したい「モノ」じゃなくて、万が一の時を託せる「人」とのつながりなのだと、これを見て大きくうなずきました。