遺言書がなく、夫が亡くなってのち住む家を出なければならない妻の問題。そして、両親が亡くなって実家を追われる娘。そんなことが本当にあるのですね。
そして、この頃身内のもめごとが多くなっているようで、一部の問題に対しては相続法が変わるようです。
遺産相続は身近な人と争う場
30代で実家を出されてしまった女性の片づけサポートをしています。今は40代になられて都内でおひとり暮らしです。
住む家を出されてしまった娘さん
親が亡くなって遺言書はなく、相続税の支払いは10か月以内。事前に用意がなければ、税金が億に近い額にもなると短期間に動かせるわけもなく、身内だけでの解決は難しくなってくるかもしれません。
だから、弁護士が入り、そのまま既定路線で遺産分割の裁判になりました。
8年の争いで失ったモノ
8年かかってようやく一つの裁判が決着されたのが、今回のお客様です。(まだ係争中のことがあるそうです。)
遺産の中でも、思い出の品を手にしたくて、どうしてもと願ったお母さまのお着物は行方が分からなく、手にすることはできなかったそうです。
気が付けば、照明がない部屋ばかりだった。
暮らす家には、照明がなく何年も触ることがない段ボール箱のつまった部屋。そして、ダイニングの限られた明かりでひっそりと生活する部屋ができてしまったのです。
今まで住んでいた家を出されて、身内とのコミュニケーションは弁護士を仲立ちとする状況。やがて、身も心も消耗していき、暮らしがおざなりになっていったのは想像できます。
「きちんと生活できる」家にしたい
ただ住んでいるだけの部屋を、生活する部屋に変えたい。
とご連絡をいただいて、サポートに入らせていただいています。
カフェで「お片づけ相談」からスタートとなりました。
ご希望は、
- 家を片づけたい。
- 8年かかって親の形見分けができたので収まる場を作りたい。
- 供養をするスペースが欲しい。
- 親の看取り、そして、家を出ることになって以後、ゆっくりすることがなかったので、この年末にはくつろぎたい。
初回訪問では、「お片づけ相談」の割引をご利用いただきました。全体の確認をさせていただき、お打合せでは、今使っていない部屋から片づける予定でしたが、寒くなってきましたから、ゆっくりできる居室つくりを先行することにしました。
この訪問では、私が持参した照明が役立ちました。
BEFORE
2年以上確認していない段ボール箱。
ここに何があるか、お客様もわからない状態です。
ブラックボックス
*すべての画像の転載を禁じます。
お客様のご厚意でいただいた画像です。
照明が使えない部屋
まず、この部屋の照明は電球が切れていましたから、防犯シャッターを閉めたまま長い間放置されていたようでした。
この天井灯は取り付けベースにぐらつきがあり、はずすのに苦労しました。
クローゼットにたどり着けない
引っ越し時に慌てて梱包して搬入し、おおむねそのままの状態だそうです。中を確認して仕分けていきます。
大量の裁判書類のほかは、何年も見ていないモノです。それを、一つ一つお客様が手に取り判断されました。
同時に、既存の収納を最大限利用したいので整理します。
初回6時間の作業後
まだ継続しますので、途中経過となります。
モノをグループ分けしました。服や雑貨、寝具。
本、CD、DVDをまとめました。
1回目終了
お客様には長時間の仕分けに取り組んでいただきました。
この状態で終了となりましたが、それでも、手放す雑貨や本が大量に出ました。
2回目リビング作業
当初「どうしたい」「どうなりたい」がイメージできなかったお客様。私からいくつかイメージプランや提案の図面を送りまして、徐々に片づけの方向性が見えてきました。
2回目の訪問では、
1、段ボール箱の中を確認し、床置きをなくす。
2、部屋にリビングとしての役割を持たせる
3、居心地よさも考えて視覚情報を整理し配置。
を目指しました。
まだ段ボール箱に入ったモノが床置きになっている状態。ここからスタートして、
だんだん床が見えてきましたね。
お客様の笑顔が増えてきました。
リビングAFTER
明かりは大事
さて、既存のシーリングライトが電球の交換が難しいタイプだったので撤去して、3灯ダウンライトタイプに変えました。電球替えが楽な形で、長時間電球切れを起こしにくいLED照明をご案内いたしました。
その照明の明かりにお客様が感激してくださいました。
2年ぶりに現れた床は、ピカピカ!
明かりは気持ちも照らし、お客様の笑顔が光りました。
延べ10時間
ここまで、10時間の作業。配線の目隠しをしたいところですが、現状はまだ仮置きです。この配置で暮らしていただいて使い勝手を検討します。そののち、収納家具などを手配していく予定です。
畳をご検討されていらっしゃったのですが、TV台を低いものに替え、ラグを敷くだけでもよろしいかと。お好みの和風スタイルには、お手持ちのこたつテーブルを置かれ、ぐっと落ち着いた布の色で合わせたらしっくりくると思います。
作業は2回ですが、
年末、こたつに入ってTVを見たい!
と切なるメールをいただいてからひと月以上かかりました。
お待たせいたしました!
こたつ布団がなかったので、既存のモノを使って、ご参考のために作ってみました。
あったかいこたつ布団を手に入れてくださいね。
お客様の笑顔
お客様にはだいぶ喜んでいただけて、大変うれしかったです。何より、
私は、
お客様の笑顔を見たいです。
そう申し上げて作業に入らせていただいていますから、当初の私の目標はクリアしました。
でも、まだまだ先がありますから進みます。
そして、次回、念願の遺品の活用
お母さまの遺品のドレッサーが照明のない別の部屋に置かれていました。
このドレッサーは8年の裁判で手に入れたモノの一つなのです。新しい和風リビングにぴったりのようですから設置し、ほかのエリアも整理していきたいと思います。