介護する人、される人、しない人。人の尊厳

ひとの尊厳

生前整理は、モノ、ココロ、情報の整理をして、より良くラクに生きていく片付けです。

そのうちのココロの整理は、自分の過去と現在を認めることがスタートと感じています。

過去を認めるにあたっては、人によって思い出してつらいこともあります。

介護される親の尊厳

生前整理の講座をしていた時、受講生様がおっしゃったことがあります。

「手を出さなかった夫には、彼の親の下(シモ)の世話をした者の気持ちはわかっていない。

『親の尊厳』と言われるけれど、汚物を手に取った人の尊厳を夫は理解していない。」

それまで、周りの方やご主人に対して愛情あふれるお話をされている方でした。

思い出としてふと口にされた言葉に驚きつつ、実は共感する想いがありました。

介護される人、介護する人、介護しない人

私の事情

いつも講座で自己紹介として話していることがあります。

介護をして、子育てに悩んで、モノを溜め込んだ時期があって、それが私が片づけを学ぶきっかけです。

私の夫は東京で会社員。

ある時、私が子連れで地方に住む義理の両親のお世話をしに行ったら、すぐにケアマネに私が「キーマン」と認定され、帰れる状態ではなくなり、なぜ飛行機のチケットが片道だけだったのかを理解しました。

私と2歳の息子は夫の実家に住み込む事になりました。

義理親の想い

それ以前に、60代だった義母は、自身のガンの治療をあきらめていました。

「お父さん(義父)は、わたし(義母)が入院したら不安でしょう。

お父さんがかわいそうだから。」

夫の想い

夫は、そんな愛があふれる自分の親に

「なんでもしてやりたい。」

と思って、妻子を送ったわけです。

当時の義父は、体が元気で徘徊する、アルツハイマー病でした。

言葉にならない想い

私も封印してリアルには思い出さないようにしていた出来事があります。

夫婦の想いの差

介護を始めて2年後、全てが済んで、私が口にしたこと。

 

「(介護と育児が重なって)大変だった。

1番気になっていたのは息子のこと。

これからは子供のことに専念したいです。」

 

 

夫からは、

 

「介護の移動に必要だから立派な新車を女房に買ってやった。

おまえがうるさいから、汚れたトイレは天井から器具まで全取替した。汚物が混入した洗濯機も最新式に買い替えた。女房が不満だということには、大金を払ってきた。

言いたいことが、まだあるの?」

 

夫はその数年前から、たて続けに身内を亡くしました。引き継ぎ整理が大変なのは想像できましたから、精神的にも時間的にも苦しい思いをしていたはず。

私の欲しかった言葉は、「子供にも負担をかけたから、じっくり向き合おう。」ということだったのですが、想いのすれ違いに、私は言葉を無くしました。

価値観の違いは埋められない

その時、私自身の気持ちをあらわす言葉が見つけられなかったけれど、「私が言いたかった本当の言葉」が、この日の受講生様との会話ではっきりわかりました。

それを、夫に言いたい?

いえ、身近な人同士でも、価値観が違い理解できないことはあります。

さらに20年前の介護の現場では、介護を受ける人、介護をする人、介護をしない人の想いは、まったくかみ合わないのが普通だったように感じました。

介護に限らず、「嫁」は、無償の労働力でしたから。そもそも嫁の「立場を理解する」という概念はなかったでしょう。

 

誰の尊厳?

人間関係ではいろいろありますね。

私自身も雑念が多く、完璧には程遠く、言葉や態度での失敗が多いです。

ですが、誰にも人の尊厳があってお互い認め合い、今ここに存在することに感謝することができたら幸せと思います。

 

私は「生前整理アドバイザー」として、自分が意思を伝えられなくなった時にも「人の尊厳」を守りたいから、未来に向けて用意しているものがあります。

具体的には、講座やセミナーで実物をお見せしています。

過去を肯定的に受け入れる

今のモヤモヤは、もしかしたら過去からくるものであるかもしれません。その場合、いっとき真摯に向き合って認めてしまいませんか。

苦しい思いをするかもしれませんが、それがあっての今。

「今」を肯定することができて初めて、前向きに未来を考えることができるのではないでしょうか?

そんなことを生前整理アドバイザーとしてお伝えし実践しています。